「特定細胞加工施設(CPC)の選定、迷ったらどうする?」

「特定細胞加工施設(CPC)の選定、迷ったらどうする?」
~中立的なコンサルティングの価値とは~
再生医療をクリニックで導入したいというニーズが高まる中、「特定細胞加工施設(CPC)」の院内設置についてのご相談をいただく機会が増えています。今回は、実際にあったコンサルティング事例をご紹介いたします。
ご相談いただいたのは、院内CPCの新設を検討しているクリニックの先生でした。すでに複数のCPC設置業者と打ち合わせを重ねていたものの、各社がそれぞれ自社の強みをアピールする中で、「何を基準に選べばよいか分からない」という状況に陥っておられました。
実際、CPC設置業者によって得意領域はさまざまです。たとえば、小規模スペースに特化したCPCを得意とする業者もあれば、大規模施設の構築に実績を持つ業者もあります。コストを抑える提案に長けた業者もいれば、汎用性や長期運用を重視した高機能型CPCを提供する業者もいます。また、CPC設置後のプロトコル設計や年間点検のフォロー体制までサービス内容には幅広い違いがあるため、単純な価格比較では判断が難しいのが実情です。
加えて、CPCや再生医学に関する専門用語が飛び交う中、初めて再生医療を導入しようとする医療機関にとっては、会話の内容が「ちんぷんかんぷん」になってしまうことも珍しくありません。実際、CPCの設置費用は1億円を超えることも多く、短時間の判断で即決できるものではありません。
こうした背景の中、私たちは中立的な立場のコンサルタントとして介入し、各業者の強みやCPCの仕様をクリニックの目的・導入予定の細胞治療内容と照らし合わせながら、最適な提案を行っています。具体的には、「〇〇細胞を使った再生医療を月に何例実施したいのか」「利益をどのくらいで回収したいのか」といったビジネスサイドの要件から逆算して、必要な設備スペック、想定原価、費用回収モデルも可視化しています。
このように、単に設計や施工だけでなく、再生医療に特化した事業戦略視点からのCPC導入支援ができるのが、我々のような実践型コンサルティングの強みです。一方的に費用を払う「サービス」ではなく、現場の悩みに寄り添い、戦略と実務を接続する「パートナー」として活用していただけることが、最も効果的なコンサルティングのかたちだと考えています。
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