研究開発コンサルティングの実例 ―「持っている技術」を再生医療へ―

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研究開発コンサルティングの実例 ―「持っている技術」を再生医療へ―

今回は、当社顧問が実際に支援させていただいた研究開発アドバイザリーの事をご紹介します。テーマは、「再生医療分野への参入を目指す川上企業」に対して、技術評価から事業展開支援までを行ったケースです。

ご相談をいただいたのは、「細胞培養用プレートの製造技術を持つ企業様」でした。非常に高い加工技術と独自の表面処理技術を有していたものの、再生医療分野への応用や展開方法については、「誰に何を相談すればよいか分からない」という状態でした。

そこから伴走支援型としてのコンサルティングがスタートしました。まずは培養プレートのスペックを科学的・臨床的観点から評価し、再生医療のどの領域にマッチし得るのかを整理しました。併せて、企業側が最終的に目指していたのが販路開拓・プロモーションであったため、以下のようなプランを設計・提案しました:

  • 実証性を確保するためのシンプルかつ明快な実験
  • ユーザーや共同研究者に伝わるデータの可視化手法
  • 製品認知を高めるための適切な学会・展示会の選定

こうしたプロセスを通じてコンサルティングを続ける中で、当初は想定していなかった新しい利用可能性も見えてきました。それは、培養プレートの持つ特性が、産業応用や創薬スクリーニング分野にも適している可能性があるという点です。このような思いがけない付加価値が見つかったことで、プレート製品そのもののポジショニングが広がっていきました。

このように、専門家の視点を取り入れた研究開発コンサルティングでは、依頼者の要望に応えるだけでなく、技術の新たな価値や可能性を引き出すことができます。特に再生医療やバイオ領域のように専門性が高い分野では、現場感と戦略眼を併せ持つ外部アドバイザーの関与が、大きな意味を持ちます。

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